エニアグラムタイプ4におススメ恋愛映画「彼女がその名を知らない鳥たち」

映画のあらすじ

北原十和子（蒼井優）は15歳年上の佐野陣治（阿部サダヲ）と愛情が薄れながらも生きていくためだけに同棲を続ける。それはお金だけではなく十和子の欲情もまた陣治に依存している表れだった。彼女の心は陰りながらも8年前に別れた黒崎俊一（竹野内豊）の存在がうごめいていた。

ある日、妻子持ちの男、水島真（松坂桃季）に惹かれ彼との情事に溺れ始める。

一方、陣治との関係は変化していった。

ある日、警察から黒崎が失踪していると知らされたことによって、十和子は陣治が失踪に関係しているのではないかと疑いを持ち始め情事を重ねる水島真にも危険が及ぶのではないかと不安になり、より一層水島真に心を寄せるようになる。

しかし、物語が進むにつれ水島真が愛のない体だけの関係を続けようとすることに十和子は気づかされる。物語の終盤では、意外な真実が明かにされ、最後に陣治が十和子を愛するためにとった行動は彼女を守り切るためのものだった。

【性格分析】

十和子が想いを寄せる黒崎と水島。しかし、十和子は両男性に良いように扱われてしまう。そんな彼女を本気で守ろうとする陣治。十和子と陣治はどんな性格なんでしょうか。（エニアグラムのタイプを特定のキャラクターに当てはめることは多面的な要素を含まないため一つの解釈としてお読みください）

【十和子】理想化された過去や恋人に対する憧れ

エニアグラムタイプ：タイプ４（個性的な人、芸術家)

1. 強い感情の振幅：十和子は過去の恋人である黒崎への未練や現在の生活に対する不満など、強い感情を抱えています。タイプ4の人々は感情が豊かで、その感情を深く体験する傾向があります。
2. 独自性の追求:：十和子は他の人と違う自分自身の感情や経験に強く焦点を当てています。これはタイプ4の特徴で、自分の個性や特別な存在感を重要視する傾向があります。
3. 喪失感と憧れ:：黒崎への未練や失踪したことに対する強い執着心は、タイプ4の人々がしばしば感じる喪失感や何か欠けているという感覚に似ています。また、理想化された過去や恋人に対する憧れもタイプ4の特徴です。
4. 自己表現:：十和子は自分の感情や思いを隠さず、率直に表現することが多いです。これは、タイプ4が自分の内面を外に出し、表現することを重視するためです。

【陣治】尽くすことで愛されたい

エニアグラムタイプ：タイプ２（助ける人、援助者）

• 過剰な献身:：陣治は十和子に対して非常に献身的であり、彼女を支えるために自分を犠牲にすることも厭わないように見えます。タイプ2の人々は他人を助けることに喜びを感じ、しばしば自己犠牲的な行動を取ります。
• 愛されたい願望:：十和子からの愛情を強く求め、彼女に尽くすことで愛されたいと感じているようです。タイプ2の人々は他人からの愛や承認を求める傾向があります。
• 感情的な表現:：陣治は感情を表に出しやすく、十和子に対する自分の気持ちを隠さずに示します。これもタイプ2の特徴で、感情を率直に表現する傾向があります。

一方通行な愛

十和子は尽くす陣治の想いに応えようとしない。それぞれの愛情がすれ違う一方通行の愛の関係を解説します。

1. 異なる愛情表現

• 十和子の愛情:：十和子は黒崎への強い未練を持ち続けています。彼女は黒崎との過去に固執しており、現在の陣治に対しては愛情を抱いていないか、少なくともその愛情が非常に薄い状態です。十和子は感情的に黒崎に囚われており、陣治との関係を真剣に受け止めることが難しい。
• 陣治の愛情:：一方、陣治は十和子に対して深い愛情を持ち、彼女を守り支えようとします。彼は自己犠牲的で、十和子のために尽くすことを厭わない。しかし、その愛情表現が時に過剰で、十和子にとっては重荷となることもあります。

2. 感情の不一致

• 十和子の内面葛藤:：十和子は黒崎への未練や過去の記憶に囚われ、自分の感情を整理できずにいます。その結果、現在の生活や陣治に対する感情が混乱しており、彼女自身が何を望んでいるのか明確に理解できない状態にあります。
• 陣治の不安と執着： 陣治は十和子を失うことへの不安や恐れから、彼女に対する執着心が強くなっています。彼の行動や態度は時に過保護や過干渉と見なされ、十和子にとっては窮屈に感じられることもあります。

3. 過去の影響

• 黒崎の存在:：黒崎という過去の恋人の存在が、十和子の心に大きな影響を与え続けています。彼女は黒崎との思い出に囚われ、それが現在の関係に影を落とす原因を作っています。
• 未解決の感情:：十和子の黒崎に対する未練が、陣治との関係において常に障害となり、彼女の心が過去に留まっているため、現在の関係を前向きに築くことが難しい。

4. コミュニケーションの欠如

• 感情の共有不足:：十和子と陣治の間で感情や考えを十分に共有できていないことも、すれ違いの一因です。十和子は自分の本当の気持ちを陣治に伝えられず、陣治もまた自分の不安や恐れを適切に表現できていないため、互いの理解が不足しています。

これらの要因が重なり、二人は恋愛関係ですれ違い続けます。感情の不一致や過去の影響、コミュニケーションの不足などが絡み合い、二人の関係は複雑で困難なものとなっています。

まとめ

女性タイプ4と男性タイプ2の関係は、両者とも感動と強い結びつきを求めるタイプの為、ちょっとした誤解や行き違いに傷つき、お互い過剰とまで思えるほどの行動に出ます。男性タイプ2の愛を女性タイプ4は理解し互いの時間を優先することで良縁へと向かいます。

現在、恋の相手がいない女性タイプ4は、将来出会う恋人への憧れがとても強くなります。パートナー探しには慎重になるはずの女性タイプ4ですがロマンチックな雰囲気を好み月並みな出会いや関係より多少のリスクを背負った恋に憧れる傾向にあります。

現在進行形で恋の相手がいる女性タイプ4は、相手に対しての品定めは冷静で相手の欠点をつかみ長所を過小評価しがちです。

女性タイプ4がもっとも高揚感を抱く愛の形は、長距離恋愛や三角関係など障害のある恋愛です。

女性タイプ4は、自分が欲しかったものが手に入ると今度はその欠点が目につき始めます。自分が求めていたものはここにはなかったと感じ始めるのです。

感動を求めすぎる愛には自覚を持ち目の前の相手の現実にはたくさんの愛や物語が存在している事を想像してみましょう。

相手探しや恋人への気持ちに疲れた時は、自分のペースを守り少し距離をおくことがベストです。自然とベストな相手と巡り会えたり、恋人の良いところが見えてきます。